小児癲癇

癲癇はてんかん症と言い小児神経疾患では比較的たくさん見られる。臨床での症状も多くて複雑だ。症状を見れば突然の意識喪失、ひどい痙攣などが起こり、口元に泡や痰があふれ、瞬間的な失心や、小発作などが見られる。

子供によっては頚が傾いたり体が若干ふらついたり、あるいは局所筋肉がひきつけを起こし、眼をむくとか、苦笑、回転、 転倒または頭痛、目まい、腹痛、嘔吐、 手足の冷え、冷汗等々の臨床の表情症状が多い。たいていの癲癇発作は発作の後にごく正常な状態に戻るが、極めて珍しく癲癇状態が長続く場合もある。

漢方医学では、1200年前の隋唐時代に有名な漢方医学者であるソ・ウォンバンが、小児に起こるのが癇で、10歳以上に起こると癲というと語った。隋唐時代以後、多くの漢方医学者たちが臨床を通じて論述と治療方法に対して記録してきた。現代医学で癲癇は脳組織内の器質的病変、すなわち脳腫瘍や脳出血手術後などの癲癇症状発作を器質的病変と言う。また、器質的病変がなくて神経機能障害を起こす多くの種類の神経症状を機能的病変と言う。症状を見れば、突発的な意識喪失で卒倒して全身がひきつけ、白目をむき口がゆがんで泡を吹く。手足は捻れて精神または感覚障害を起こす病気である。症状の強弱によって大発作、小発作などと分ける。

漢方医学では小児癲癇を大きく陽癇症と陰癇症とに分類して、さらにまた驚癇症、痰癇症、食癇症、風癇症に区分して治療する。

小児癲癇症状は漢方医学で見る痙症と驚風に類似している。発作を起こしてどの位時間が経てば正常に戻ったかや病気の程度によって発作回数や発作程度が違う。 漢方医学では、てんかんの原因を頻繁な驚悸、食あたり、風邪、痰、風などに誘発されると考える。したがってこのような症状の分類をして治療すれば、臨床で良い效果を期待することができる。

臨床事例<1>
ソウル(男児:48ヶ月)身長86cm(‐9cm)
体重9kg(‐2kg) 2003年 8月来院。

生まれた時から心房中格欠損症状がある。熱性疾患もあり癲癇の大発作が一日に 3~5回起こった。病院の脳波検査で脳癲癇波が現われた状態であった。多くの病院を転々としながらも治療できなくて、インターネットで王博士の漢方医学を通じて本院を知った。2003年 8月に来院した。◇内院初期症状 : 眠る時にもたまに驚いたり、大汗をかいたりする。ひどい便秘と消化不良で成長障害と体重未達、身体虚弱が見られた。子供は非常に困難な状況であった。また尿路感染のために腎臓機能も良くない状態で、手足が非常に冷たかった。

(第1次治療) 20日間、漢方薬を服用したら、発作が出なくなり、他の症状も50%以上好転した。
(第2次治療) 20日間の治療ですべての症状が消え、手足の冷えだけが少し残っていた。続いて発作症状は現われなかった。
(第3次治療) 20日間治療では、癲癇症状がこれ以上現われなかったので、予後補強治療と成長治療を併行した。
(第4次治療) 20日間の治療で、症状はかなり好転し、癲癇発作がなかった。現在 1年に 2回程度の成長治療に重点を置いて治療している。

臨床事例<2>
京畿道坡州市(男児:30ヶ月)身長85.6cm(‐5.4cm)
体重10.8kg(‐0.6kg) 2003年 8月来院。

9ヶ月の早産児で成長発育障害あり。来院時には一日に癲癇の小発作が5~6回あり、寝ている時に大量に汗をかき、食欲がなく鼻血が頻繁に出る。

(第1次治療) 10日間の 1次治療の後、癲癇発作症状が現われなかった。
(第2、3次治療) 40日間、発作症状がなかったが、西洋学病院で受けた口腔治療のストレスによって 9月 4, 5, 6日の3日間で 1日6回の発作があった。9月6日以後は発作がおさまった。
(第4次治療) 10月15日の後は 2004年 3月まで発作症状がなかった。
(第5次治療) 5次治療から再発防止と補強治療、成長障害治療につなげている。現在は健康状態が良好である。

臨床事例<3>
慶北大邱市 (男児:13ヶ月)身長77cm(‐3cm)
体重10kg(普通) 2003年4月来院。

生まれた当時、胎便が肺に入って応急手術後、小児癲癇発作症状が現われた。西洋学病院で多くの抗痙攣剤の投与を受けながら 2002年 11月 1回、発作あり。 3月に 1回発作あり。

(第1次治療) 30日間の1次治療で、抗痙攣剤投与を1日3回から 2回に減らした。
(第2次治療) 30日間の2次治療では抗痙攣剤を1日1回に減らしたが、小発作が 2回あった。
(第3,4,5次治療) 90日間の治療で抗痙攣剤を完全に断ち切る。 2004年 2月まで発作症状はなかった。現在は再発防止と補強治療と成長治療を受けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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